鳴海の猩々(しょうじょう)
この地方の中で、最も古くから猩々を出していたのが、緑区鳴海町である。安永八年(1779)に書かれた「鳴海祭礼図」という書物には、「各町内からたくさんの猩々が出される。」と記されている。

その中でアタラシ(右の写真)だけは八幡宮の神輿の行列に参加する、特別な存在なのである。下中の町内にいるときは、どてらのような着物を着ている。それが行列に加わるときは、鮮やかな緑色の裃に着がえ、「神様猩々」とよばれるようになる。鳴海を始め、この近辺は古くから酒造業が盛んな地区であったから、いくらくんでも尽きない酒壷をもたらす猩々が、その守護神としてお祭りに取り入れられたのであろう。

猩々のもう一つの顔は、小中学生の子供たちが猩々の中に入り、「猩々の馬鹿や~い」とはやしたてる幼い子供たちを追いかけまわし、赤い大きな手でお尻をたたく遊びが行われている。古い言い伝えによると、お尻をたたかれた子供たちは、「その年、風邪をひかない」とか、「厄除け」などと言われている。

猩々は、伝統産業に根づいた、この地方特有のお祭りのキャラクターなのである。
ぜひ1度この街の猩々に、厄を払ってもらうのも良いですよ!!!