地獄沢

 藤原元命は「尾張百姓等解文」で知られた実在の人物であるが、彼がある夜、お忍びで女性の下を訪れようとした時、折悪しく川に橋がなく、近くにあった卒塔婆を橋代りに渡して通ったが、罰が当たり地獄へ落とされたという。
 その場所は今でははっきりしないが、古老によれば、その話の場所であろう作の山(さくのやま)は、谷沿いの地で小川が流れていたという。
 しかし、その川は昭和になって埋め立てられたとの話。