隔伝和尚と狼の故事
 融伝は祐福寺4世の高僧。後に熱田本覚寺も開いたといわれる15世紀初めの人だが、ある日、熱田神宮へ詣でる途中、鳴海山を通りかかると目の前に狼が現れ、何やら訴える素振りをする。
 よく見ると狼の喉に骨がささっていた。 これを法力で取り除いてやると深く頭を下げて去っていったという。 また、平手の近くの細口には長く融伝清水という泉もあったといわれる。
 この話は、古き鎌倉街道にまつわる話として貴重なものだそうである。 ただ鳴海山という山が実際にあったという資料はなく、鳴海東部・北部一帯を指しているその場所は定かではない。
(資料「尾張名所図絵」「小治田之真清水」etc...)